「ドラえもん」
〈更新日: 2002年04月17日 〉 ※写真が掲載されている場合は、クリックすると拡大表示されます。
先日、朝のラジオ番組で、「ドラえもん」への質問コーナーがあった。
大山信代さんが回答者なのだが、小学校低学年の子供達がユニークな質問をして回答者を困らせていた。
『ドラえもんの年は、いくつですか』
「う~ん、ドラえもんの年は・・・・・」
「生まれた年は、わかるのよね」
「西暦2112年、9月3日、だから年齢は、マイナス幾つかな・・・」
「そして体重、129.3Kg、身長、1m29.3cm」
『4次元ポケットが欲しいのですけど』
「4次元ポケットは、外して交換できるのよ」
「でも、あげられるかどうか、ボクわかんな~い」
子供からのユニークな質問には、夢のあるものばかりだ。
大山信代さんも、独特なドラえもん節で上手に解答していたのには感心させられた。
ところで、私もドラえもんの大ファンである。
「4次元ポケット」、「どこでもドアー」、「竹コプター」など多くの未来型夢マシーンが登場する。
未来の猫型ロボット「ドラえもん」の夢世界は、マンガをはるかに越え、大人をもとりこにさせるものがある。
どこかの大学では、「ドラえもんの経済研究」というテーマで真剣に研究しているそうだ。
笑い話ではないようで、テーマ内容は以下のようだ。
「もし、どこでもドアーが、仮に存在したら、地球上の経済システムは、どうなるだろうか」
「もし、どこでもドアーがあったら、時間、空間がなくなるため、その間をつなぐ様々な手段が必要なくなるので、電車、バス、飛行機は勿論、あらゆる交通手段の必要がなくなる。
空間もなくなるので、国境も地域境界もなくなる。だから通信手段も必要なくなる。
しかし、時間だけは、なくならない。」
その大学では、「タイムマシーンは、不可能だが、どこでもドアーや4次元ポケットは、理論的に可能だ」と研究の中で言っているようだ。
最近は、故手塚治虫さんの「鉄腕アトム」など、昔人気のあったロボットマンガに大変注目が集まっている。
それどころか、その時の夢が現実に実現しだしている。
今日の日本では、マンガにあったロボットを次々と発明し開発しており、世界の中でも最先端の所にいる。
ペット犬、踊るロボット、掃除や案内ロボット、介助ロボットなどが出現し、活躍し始めている。
今後は、現在活用されている産業用ロボットのほかに
「宇宙空間のみならず大気圏内でも簡単に飛行できる鉄腕アトム型ロボット」
「3K作業を人間に代わって汚濁作業を行う作業ロボット」
「ミクロ圏に直接入り医学の手術する手術ロボット」
「人間と共存して、心を癒したり、医療など介護の代用を行う福祉型人間ロボット」
「外国などへ瞬時に行けるワープ型ロボット」
など、夢と現実の入り混じったロボットの出現が真近だ。
こうなると生産や作業代替といった代物ではなく、まさにSF映画のごとく、人間に代わるロボット出現が可能になる日さえ真近に思える。
ドラえもんの「どこでもドアー」や「4次元ポケット」など時間、空間を越えた考え方は、とかく未来に不安を掻き立てる現代にあって、ロマンと夢を掻き立てる。
今日は、現実に限界を感じ、不安と恐怖におののき、精神的に不安定を来たす人が多い。
精神的に追い詰められて、精神的な自己防衛の為に、他人や自己に危害を加える事件が多く見られる。
さらに若者の中にも、未来に夢はないとか現実での対人関係に打開ができないと悩む人は多い。
そして「過去には、夢があった」と過去回顧型によって現実逃避する傾向を持つ人が多い。
しかし今日、「ドラえもん」のようなロマンや夢を与れるマンガから未来を探す姿勢があっても良いのではないかと思う。
真言宗では、「阿(あ)」から「うん」までの「あ、うん」の世界を言う。
これは、赤ちゃんが「おぎゃあー」と最初に発生する母音「あ」から、肉体が死んで口をつぼんで「ん」と発生するまでの一生を大事にすると同時に、
「ん」が終わった後には、大日如来が発する「あ」の言葉から再度、生まれ、出発するのだという根本思想を持つ。
この姿勢は、生命は、常に歩んでいる姿勢を示しているし、常に未来を見詰めている姿勢を示している。
「如来とは、常に未来へ歩むがごとし」との意味である。
密教思想には、過去をより未来を見詰め、歩む姿勢を示すことが根本にある。
「ドラえもん」は、まさに密教そのものの思想を代弁しているロボットであるような気がする。