【高野山真言宗成田山真如院(羽幌本院・札幌分院)】札幌・羽幌での十三参り・水子供養など

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「初日の出と心の表れ」

〈更新日: 2010年01月01日 〉 ※写真が掲載されている場合は、クリックすると拡大表示されます。

平成22年度が開きました。
本年も昨年に引き続き経済的にも社会的にも何かと厳しく、暗い状況が続くことが予測されています。

でも、年明けの護摩の火には、それほど悪いものを感じることなく何かしら力強いものを感じております。

多分、これは本質的には、日本の経済の芯は、太く強いものであることに他ならない事が背景にあるからではないかと感じております。

日本人の持つ物づくりの器用さ、智恵は、諸外国には勝ることはあっても劣ることはないと確信しておりますから、技術国日本はまだまだ捨てられるものではないと考えております。

多分、徐々に経済を回復させて世界をリードする力を発揮する時が再び来るように思っております。

さて、そんな中東京では、元旦に初日の出が見られたと報道されておりました。
初日の出と富士山は、やはり日本の象徴です。美しいですね。

ただ、私が「初日の出」のテレビ画面を見たとき、何で「日中の日」を拝まないのだろうと不思議に感じました。

同じ太陽なのに、「初日の出」や「朝日」、「沈む夕日」には手を合わせる光景が見られるのに、「高くの登った日、日中の日」には手を合わすことが全くない。何故だろうと感じました。

物理学的に考えても、太陽が東から昇るのは当たり前で太陽と地球との関係上で起きる現象にすぎないのに、何故「太陽が昇るときに」また「太陽が沈む時に」のみ人間は、手を合わせるのだろうか。

実は、このことについてユングもアフリカで地元民族の方々に対して質問しています。

それに対して、アフリカの地元民族の方々は、「それは、太陽が東から昇るからだよ」、「日が高く上がったものは何にも感じない」と答えたそうです。

人間は、やはり「心」を持った生き物である。

このような現象は、人間の心所謂人間の脳に感情や情緒を司る中枢神経が中核にあるからに他ならないことによるものと考えられます。

即ち、太陽が昇るという現象を情景として捉えた人間の脳の中枢神経は、「初日の出」という感情が働き、人間の持つ情緒を揺さぶることにより感ずる現象といえます。

「初日の出」とは、まさに「日が新たに昇るがごとく、物事が新たに出発するがごとくスタート台に立つ心境に相当するように感ずる」からなんだと思います。

「さ~あ、やるぞ」という心の思いが「新しいスタート」、「リフレッシュ」の感情を起し、人間の心の中に高ぶる感情、情緒を湧き起こすことに結びつくことによるものなのでしょう。

現象や背景は、単なる唯物的現象に過ぎませんが、それを捕らえる「心のあり方」、「捕らえ方」によって内容が大きく変化していることに気付かされます。

ですから、自然に対しても社会の様々な現象に対しても、ただ単に物とか唯物的にしか感じられない人間にとっては、「情緒がない人間」とか「優しさのない人間」とかと言われてしまうのです。

 日本の風土は、四季の変化がハッキリしています。

このため、その四季の変化を敏感に捉えることの出来る日本人は、「心豊かな人」、「奥ゆかしい人」、「わびさびの知れる人」とされます。

また、この心の奥深さを知っている人ほど、賢い人と言うことも出来ます。
過去の日本人の多くは、このような人が多かったこと思います。

また、言葉の足らない日本語を使う場合にも、このような心の微妙な変化を捉えることが出来る情緒力が、言葉を理解する能力をカバーしていると言われております。

ところが今日の超コンビニ時代、インターネット時代では、その四季感覚がなくなってしまいました。
お正月でも「夏スイカ」はあるし真夏でも「冬みかん」はあります。
今は、旬と言う感覚はなくなりました。

このため、四季の感覚がなくなってしまった日本人は、「四季による恵みの感覚」を無くしてしまいました。

全く生きる為の方向感覚が無くなってしまっているのです。

感覚を失った日本人は、「その恵みを作る為に努力されている陰の力」にも感謝する気持ちをも無くしてしまいました。

「お金さえあれば、何でも手に入る」といった、「即物主義」、「拝金至上主義」が現代日本社会の姿といえます。

また、怖いことに四季の感覚を失うのに留まらず、夜、昼、朝の感覚すらもなくしています。

そして、このことにより日本人の体内時計が狂い始めています。若い人を中心に夜型中心の体内時計は、「生活リズムを狂わせ」、「体調変化に伴う心の病」につながっています。

私の所にカウンセリングを受けに来られる若い方の大半の方が「夜眠れない」と訴えます。
そして、その症状は、極度の精神不安を掻きたてて「うつ症状」や「統合失調症」などの神経症、精神症を患わせています。

日本社会は田舎も含めて、確かに便利になりました。
しかし、一皮むけば暗い、暗黒の闇を抱えているのが現代日本社会といえそうです。

加えてデフレ経済です。
失業や派遣切りなどでこの種の問題を加速的に悪化させているようにも見えます。
今日の日本社会での自殺者は、毎年3万人を越えているとのことです。

私の周りにもこの種の事件に出くわすことが多くありますが心の痛める問題です。

心の中に、「心の豊かさ」、「奥ゆかしさ」、「わびさびの知れる心」を持ち合わせておりますと情緒が安定します。そして、さらには人間に優しさと他者を思う心が生まれてきます。

こんな昔からあった、日本古来の心のあり方を探れる今年1年で有って欲しいと願うところです。

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