「ブータン式風呂」
〈更新日: 2013年6月26日 〉 ※写真が掲載されている場合は、クリックすると拡大表示されます。
~“祈りの国ブータンへの参拝旅行紀行記” 住職 高山 誓英の記録~
山越えの長旅は、さすがに疲れた。
さらにブータンの夜は寒く、どうしようかと思っていた時、ブータン式風呂があるという話を聞いた。
疲れを癒すのと興味に誘われて、私と高萩社長、東京の京本さんとの3人で地下にあるブータン式風呂に行ってみた。
なかなか立派に作くりである。
風呂は、せいぜい2人が入る程度ので木製の湯船であった。しかし、湯船はあるが洗い場がない。
これは、ただ単に温まるだけのものであるらしい。
そして変わっていることは、湯を沸かす設備がない。
湯船の湯がぬるくなると湯船に入っているトタンを丸めた筒を叩くのである。
「ガン、ガン、ガン、ぬるいよぉ!!」と叩く。
すると筒を通して「ガラ ガラ ガラ、ドス~ン」と焼いた石を投げ入れてくれる。風呂は、「ジュゥ~」と水を撥ね、音をたてて湯が温かくなる。
ブータンの夜は、寒いので身体を温めて眠るのには最高であった。
でもやはり風呂は、日本式が良い。
日本人の知恵は、「すごいな」とあらためて感じさせられた。
ちなみにドルジさんに一緒に入ることを勧めたが断られた。
ブータンでは、裸になって風呂に入る習慣がなく他人に肌を見せるのは男性でも嫌なようだった。
男女共に裸になって無防備な付き合いが出来るのは日本人だけなのかも知れない。