【高野山真言宗成田山真如院(羽幌本院・札幌分院)】札幌・羽幌での十三参り・水子供養など

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「ブータンの農家で接待」

〈更新日: 2013年6月26日 〉 ※写真が掲載されている場合は、クリックすると拡大表示されます。

~“祈りの国ブータンへの参拝旅行紀行記” 住職 高山 誓英の記録~

パロ市内をブータンの民族服を着ながらの見学である。
男性は「ゴ」、女性は「キラ」という民族服をホテルの従業員に着せてもらった。
皆さんとても良く似合う。
特に女性の人たちは、取り分け良く似合い綺麗である。
ホテル前で全員並んで写真をとった。皆さんブータン人であった。

この日の午後、パロ市内にある農家を訪問した。
150エーカー(60ヘクタール)ほどの稲作を作っている農家で3階建ての大きな家である。
ブータンでは大農家に入るという。
エーカーという単位は、いかにもイギリスの息が掛かっていることを示す単位だ。

ドルジさんからお米の値段について聞いてみた。
ドルジさんの実家も中央ブータンで農家をしているらしく相当の農地を持っていると自慢していた。
玄米1キロ100ヌルタム(約160~180円)というから60キロで1万円前後のようだ。
現在の日本の米価格に比べて30~40%安いようだ。
でも米の質を比較すると日本の米の方がず~と美味しいし品質が良い。

農家の部屋に入れてもらった。
1階は納屋であり住まいは2階だった。
危なっかしく階段用として立てかけられている薄い板に手を付きながら2階に上がった。
ここは、外国人を受け入れる農家らしく布団が何組か揃えてある。
先ず仏間を見せてもらった。
立派だ!!
10畳ほどの部屋の中央にお釈迦様と観音様が祭られており、部屋の前部分が大きな祭壇になっていた。
正月には多くの僧侶を招いてお寺で行っているような盛大な仏事を行うらしい。
その為かお寺にある仏具は、ほとんどそろっているという。
折角の機会なので、仏間の祭壇の前で、私が経頭になって全員で般若心経1巻の読経をした。
ドルジさんも一緒にお参りしていた。

茶の間に行ったらラムジさんという方の奥さんが、私達を接待するために待っていてくれた。
「バター茶、アラという酸っぱいお酒、サレオという米を炒ったあられ(日本で言うドンに当たる)、シップという米を焼いて杵でついたあられ」をご馳走になった。
20畳ほどの広い茶の間に、大きな蒔きストーブ一つが窓際に置いてある以外はガランとしていた。
ストーブを囲むように全員が横並びに座ってご馳走になった。
バター茶、アラは、どうも口に合わない、
しかし、サレオとシップは、日本の米のドンに似ていて香ばしい味がした。

ラムジさんの奥さんは、48歳だというが、60歳位に老けて見える。
同行の女性達も似たような年齢の筈だが女性達の方がず~と若く見えた。
これも生活様式の違いからきているのかなと感じたほどだ。
ラムジさんの奥さんと女性達が一緒に写真をとっていた、が皆さんブータン人であった。

パロ市内でお土産を買いに向かった。
お土産は、それほど変わったものがあるわけではなく、主に織物や絵画が中心である。
私には、これと言った気に入るものはなかった。
仏具屋さんで数珠を物色していたらドルジさんが寄ってきた。
「僕の数珠は、1万円です。高山さんはいくらの数珠を使っているのですか」と尋ねられた。
「数珠は消耗品と考えているので、安い数珠を何本も持っています」と私は、答えた。
すると「僕はこの数珠で毎朝、1時間お参りをします」
「オン マニ テメフムの真言を毎日、1千回唱えます」
「これまで1万回ほど唱えています。その数がこの数珠の珠です」
と言って大切にしている数珠を見せてくれた。
ドルジさんの信仰の篤さにはまたまた敬服させられた。

ブータン旅行の最後は、ブータンの国技である弓道の試射体験であった。
小さい的を目掛けての弓の試技は難儀だったが、何とか一矢を仕留めることが出来て私の意地を通した。

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