「懇談会」
〈更新日: 2013年6月26日 〉 ※写真が掲載されている場合は、クリックすると拡大表示されます。
~“祈りの国ブータンへの参拝旅行紀行記” 住職 高山 誓英の記録~
全ての日程を終えた最終は、ブータンの方々との懇談会の席が設けられた。
ブータンから出席された方は、マンダラリゾート社ドミンク社長、ブータン・ルックエァー社幹部社員ドッケ氏であった。
まず、今回旅行に参加した方々からブータンについての印象が述べられた。
●良い印象
●悪い印象
- ブータンで見かける子供達は、皆明るく、接すると心が洗われる感じがした。
- 子供達は、無邪気で目が輝いている。
- ブータンは、祈りと信仰で毎日を過ごしている。
- 時間流れがゆっくりと流れている。
- いろんな色をしたダルシンが旗めいている。
- 祈りの国であり、農業の国であることに印象を受けた。
- 空気がきれい。
●悪い印象
- 観光立国を目指すのであれば、ゴミ問題や狭い道路など改善が必要。
- ブータンに来られる人々へのサービスを考え直す必要がある。(水しか出ないシャワー、味のない食事を工夫して欲しい、暖房設備や鍵などのホテル設備の改善)
私と関係者とのやり取り
問い | 「ブータンが幸せの国」といわれる所以は何か。 |
答え | ブータンは、外国からの援助が必要とする貧しい小さな国である。しかし、教育費や医療費は無料であること。 信仰、宗教文化、伝統文化を守り続けていること。木を大切にするなど自然環境を大事に守っていること。 これらのことを総合して見た時、ブータン人一人一人の心の中に満足感があり幸せを感じている。 |
問い | 「日本に対して何を願っているか」 |
答え | 日本人とブータン人は、非常に顔立ちが良く似ている。これは、前世から何かしらの縁があるのだろうと感じる。 東日本大震災があったときは、国王を先頭に全国民が国をあげて震災被災者のために3日間祈りを捧げた。この行為は、強制というより全国民の一人ひとりが自発的に行っていた。 また、ブータンの農業振興に一生を捧げ現在のブータン農業の基礎を築いてくれた西岡京治氏に対してブータン国民は、最大限の尊敬の念を抱いている。その証としてブータン国王から「ダショー(貴族の意)」の称号を与え、赤のカムニ(肩から掛ける正装の着衣。国王は黄色、貴族、首相は赤、大臣は山吹色、一般人は白)が与えられた。 これは、後にも先にもこの称号が与えられた外国人は、西岡さんだけであり、ブータンでは大変尊敬されている人です。こんなことから日本人に対する親近感はとてつもなく大きい。 日本の人たちがブータンのために力になってくれる事に対して大きな期待感を持っている。 ただ、具体的には、JICAを通して援助して欲しい。 もっと良い事は、日本人がブータンの人と結婚してブータンに住んでくれることだ。 |
問い | 道路事情を改善する為にインド人のアウトカーストの人たちが補修工事に携わっている。しかし、これでは非効率的であり、寧ろブータンに道路工事の為の建設会社を作り、ブータン人が会社幹部になってインド人を使うシステムの方が効果的であると思うが。 |
答え | ブータン人は、そのような仕事には携わらない。ブータン人は、デスクワークをする事が我々の仕事だ。 |
問い | ブータンの歯科診療について伺う。虫歯予防などにはどのように対処しているか。北海道札幌市の歯科医師から依頼を受けて質問している。 |
答え | 歯科診療は、全く行き届いていない。歯科医院どころか医師そのものが不足している。ブータン友好協会が札幌市にあるので、今後はそこを通してつながりを持ちたい。 |