「今回のブータン旅行で感じた私の思い!!」「ブータン人の祈りからの学び」
〈更新日: 2013年6月26日 〉 ※写真が掲載されている場合は、クリックすると拡大表示されます。
~“祈りの国ブータンへの参拝旅行紀行記” 住職 高山 誓英の記録~
- 憧れの国ブータンを初めて訪問したが、いろんな意味で精神的に大きな刺激を受けた。
- ブータンは、信仰と祈りの国であった。
人間としての生き方、日常生活や生活習慣そのものに密教が底辺に流れており、「生きとし生けるあらゆる生命を、大切に守り続ける」という密教観が根底に存在する。
それは、生き物には、絶対に手を掛けない、魚釣りもしない、殺さない等につながっている。 - 人間と自然との間に絶対的平等感が流れている。
「悪い事をすれば真っ暗闇に陥り、良い事をすれば自然の何かに生まれ変わる」という輪廻転生の考え方である。
これは、人は自然から生まれ、また自然の中に帰ってゆくという仏教独特の成仏思想を言う。
「その為には、人は、良い行いをしなければならない」という暗黙の社会規範が生まれる。
この事が殺人事件など凶悪犯罪など全く考えられない極めて治安の良い社会を実現させている。 - 密教の現世利益の考え方が日常生活の根底に漂っている。
観音信仰を通し息災、子供の養育、事件事故の回避など現世利益の祈りが生活の基礎にある。 - 信仰、祈りを大切にし、宗教文化、伝統文化、環境を大事に守っている。
密教徒は、このような世界を「密厳浄土(みつごんじょうど)」と言っている。
これは、物質、お金、経済のみに支配されている先進国、文明国と称する国々が、結果として生んでいる格差社会、社会混迷、環境破壊の苦悩に対する指針を示していると言える。